イノシシ:「しまばらブランド」 農作物被害減らし有効活用 大分市の椿説屋、現地で自社工場操業 /大分

イノシシ:「しまばらブランド」 農作物被害減らし有効活用 大分市の椿説屋、現地で自社工場操業 /大分
毎日新聞 2015年10月31日 地方版

004_153[1] 大分市のジビエ(狩猟肉)専門卸会社が、イノシシを解体処理し、全国のレストランなどに売り出す官民連携のプロジェクトを長崎県の島原半島で始動させた。農作物被害を減らし、雇用創出や有害鳥獣の有効活用にもつながるという。長崎県島原市は「島原にはジビエの食文化がなかった。イノシシ肉を新たな地域資源にしたい」と期待を込める。【佐野格】

 処理施設「ももんじファクトリー」を初の自社工場として9月から操業したのは、大分市の椿説屋(ちんぜいや)(河野広介社長)。島原市によると、昨年度のイノシシによる農作物の被害は市内で約2500万円、雲仙市と南島原市を含めた半島3市では計約5000万円に上る。しかし島原半島ではイノシシ肉を食べる習慣がなく、捕獲したイノシシ肉のほとんどは廃棄されていた。

 このため島原市は、九州の狩猟関係者と提携を模索。業務用の卸業者を介してイノシシ肉などジビエ販売を全国展開している椿説屋を誘致した。

 同社は当初、島原各地のハンターらを保冷車で回り、イノシシ肉を引き取ろうと計画していた。ところが「ハンターらが自ら工場へ持ち込んでくれる場合が多く、量も事前の予想より多い」と“うれしい悲鳴”だ。原価が安いうえ、自社工場のため安定的な生産が見込めるという。

 工場は12月から本格稼働させる予定で「ミンチやスライスなど、幅広いニーズに応えられるようにしたい」と力を込める。取れる肉の量が少なく、これまで敬遠してきた20キロ以下の子イノシシも解体処理し、高級食材としての出荷も検討するという。

 島原市の担当者も地元の業者らの「変化」を指摘する。「椿説屋は『ジビエによって都会のお金を疲弊する地域に回したい』という理想を掲げ、地元への刺激になっている。今後は地元の加工業者と連携し、『しまばらブランド』となるような新商品を開発してもらえたら」と話す。

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