島原でイノシシ処理施設稼働 首都圏に売り込み図る

島原でイノシシ処理施設稼働 首都圏に売り込み図る
2015年10月22日

20151021-OYTNI50021-L 田畑を荒らす有害鳥獣のイノシシを駆除し、その肉を有効活用して地元の特産品にする一石二鳥の取り組みが、島原市で始まった。9月には市内にイノシシ肉の食肉処理施設が稼働。全国的にジビエ(野生鳥獣の肉)料理への関心が高まる中、首都圏市場を中心に売り込みを図り、島原ブランドの確立を目指している。(赤井孝和)

 市などによると、地元の猟友会などが毎年4500~5000匹のイノシシなどの有害鳥獣を捕獲し、そのまま廃棄処分してきたという。島原半島の昨年度の有害鳥獣による農業被害額は約5000万円。だが、その“厄介者”も適切に解体処理すれば、高級食材のジビエになることから、市が有効活用に乗り出した。

 市は国の交付金を活用した補助金制度で、イノシシ肉を東京などのレストランに卸している大分市の椿説屋ちんぜいやを誘致。同社は地元金融機関の支援も受け、約2800万円をかけて食肉処理施設「ももんじファクトリー」を島原市上折橋町に開設した。

 施設は約95平方メートル。冷凍庫や冷蔵室、解体室などを備えている。年間の処理能力は約2000匹。従業員6人は地元で雇用し、うち1人は獣医師を置いて病変個体の選別などの衛生管理を徹底する。

 施設は9月から稼働を開始。島原半島3市の猟友会などが捕獲したイノシシを処理しており、枝肉1キロ当たり150円で買い取るほか、有害鳥獣駆除に対し、市が狩猟者に支払う報奨金(1万6000円)受け取りに必要な事務処理も無償で代行している。

 県内では、長崎市、佐世保市、対馬市などに計6か所の同種の施設があり、今回で7施設目となる。9月18日に行われた施設公開には、島原半島3市の市長ら約40人が出席。イノシシ肉を使った料理の試食会が行われ、同社の河野広介社長(36)が「高級食材として流通できるよう、島原ブランドとして売り込んでいく。イノシシ肉の加工食品の開発も手がけ、島原半島の新たな魅力を発信していきたい」と意気込みを語った。

 島原市の古川隆三郎市長は「獣の臭みもなく、おいしい。流通の仕組みもできており、駆除と特産品化の道が一度に開けた」と語り、今回の取り組みに期待を寄せていた。

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