長崎市の人口減少数は北九州市に続いて全国の自治体の中で2番目、県庁所在市の中で最多

長崎発!
人口流出に危機感を /長崎
毎日新聞2016年11月21日 地方版

map2 人口減少が全国的な課題となる中、本県の人口減少率は九州で最も激しい。総務省が発表した2015年の国勢調査の確定値によると、5年前に実施した前回の調査から3・5%、約5万人も減っている。

なぜか。県政策企画課によると、一つは離島が多いという地理的な特殊性がある。離島の若者は高校を卒業すると、進学や就職のため県外に出てしまうためだという。

しかし、人口流出は離島に限った話ではない。全国の自治体の中で、長崎市の人口減少数は北九州市に続いて2番目に多い1万4258人に上り、全国の県庁所在市の中で最多となっている。人口減少は経済をはじめ街全体の衰退につながる。県内で最も求心力を持っているはずの県都でこの状況だから、本県の人口流出がいかに深刻なのかが分かる。

県の分析では、このところの有効求人倍率は1・0を上回っており、仕事がないわけではない。しかし、若者たちのやりたい仕事がなかったり、大都市や大企業への就職を希望したりして、福岡や東京に出て行ってしまうという。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、長崎市の人口は15年の約43万人から、25年後にはさらに10万人近くも減ってしまう。

国による「地方創生」の号令を受け、県も長崎市も昨年度、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定して対策に乗り出している。長崎市の場合、新たな雇用の創出、U・Iターン、出産・子育て支援などが柱となっており、中でも重要施策としているのが「交流の産業化」だ。

これは、外国人や富裕層の観光客を誘致するなどして「人」の交流を活発にし、新たな事業や雇用を生み出そうという考え。確かに、長崎市は歴史や伝統、文化を備えた魅力ある都市であり、取り組みに期待したい。ただ、「観光」を景気・雇用策の目玉にするしかないのは、それだけ他産業の衰退を物語っているといえ、本当に若者の流出に歯止めをかけられるのか悩ましい。

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